株式会社MOYAI(代表取締役 渡邊 亮、以下「MOYAI」)と、MS&ADインシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(代表取締役社長:新納 啓介、以下「あいおいニッセイ同和損保」)は、MOYAIが提供する次世代ネットワーク型カメラ「IoTube」※1を保育所や幼稚園、認定こども園といった施設(以下、就学前施設)に設置し、「IoTube」から得られるデータを活用した事故低減・防止を皮切りに、施設利用者と施設運営スタッフ双方にとっての「安心・安全・快適(A2K)」の実現に向け、2023年9月より協業を開始します。
※1 4G通信機能を備えた防犯カメラ及び⾏動解析デバイス。撮影動画に加えて内蔵センサーにより取得できる音声や温度等のデータを保存できるほか、遠隔地よりリアルタイム監視や双⽅向通話を行える機能を装備
1.背景
就学前施設において園児の不慮の事故が年々増加傾向にあり、2021年度では2016年度と比較し約2.7倍※2に増えています。相次ぐ送迎バスの置き去り事故の発生を受け、2023年4月より厚生労働省の省令等による安全装置の設置義務化など安全対策も講じられていますが、慢性的な人手不足等の理由もあり、不慮の事故に対して就学前施設で対策が十分に講じられていない現状にあります。また、園児への暴言や暴力といった不適切な保育も報じられており、就学前の子どもを育てる親が安心して子どもを預けられる環境・体制づくりが求められています。
MOYAIは、「IoTube」にて取得した映像や音声などをエッジAIで解析し活用する独自のノウハウを有しており、鉄道会社での車両放火犯の早期逮捕への貢献等様々な実績を挙げています。
一方で、あいおいニッセイ同和損保は、事故分析等のデータ利活用ノウハウや、20年強にわたって福祉現場における事故未然予防策の提案や職場環境構築の支援を行い、就学前施設のリスクマネジメントに関してノウハウを有しています。
今般、両者は、互いの知見・ノウハウを掛け合わせ、「IoTube」から得られるデータを活用した就学前施設における事故低減・防止に向け、協業を開始することとしました。
※2 内閣府「教育・保育に関する報告・データベース」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/index.html)
2.協業の内容
(1)「IoTube」から得られるデータの利活用
MOYAIの「IoTube」を就学前施設に設置し、そこから得られる映像・音声データ等をあいおいニッセイ同和損保が分析します。そのデータ分析をもとに、MOYAIが就学前施設内での異常事態検知や、リアルタイム監視による現場状況の可視化、関係者へのアラート送信などへの活用を検討し、園児の不慮の事故発生を未然に防止する環境・体制づくりを行います。
(2)就学前施設用IoTube「KIDS見守り安心保険パッケージ」の提供
「IoTube」を設置した就学前施設向けに、あいおいニッセイ同和損保が保有する就学前施設の虐待防止の研修ツール(コンプライアンスや不適切保育・虐待防止等の冊子)の提供や、万が一不適切保育がSNS等で拡散された場合に行うコンサルタント費用等を補償する「KIDS見守り安心保険パッケージ」を提供します。
①研修ツール「就学前施設のための虐待防止 虎の巻」
特長
・園児の虐待防止に関する内容を記載した全36ページからなる保育者向けの研修冊子
・「こどもが出歩いていってしまわないように部屋にとじ込める」「泣き止まないこどもに暴力をふるう」といった行為によって法的責任を負う可能性があるなど、コンプライアンスとハラスメントに密接なかかわりがあることを説明
・就学前施設におけるハラスメントは「こどものために」といった思い込みも起因しており、運営者や管理者が正しく環境認識し、指導・育成をすることが重要と説明
②補償概要
補償内容 不適切保育が「Yahoo!ニュース」や「LINEニュース」などのSNS媒体に掲載された際、施設のブランドイメージ回復または失墜防止のために、保育事業者が受けるコンサルティング費用や謝罪のための会見などに要した費用を補償
被保険者 就学前施設を運営する保育事業者
保険金支払限度額 「IoTube」の設置台数により20万円~500万円で設定
保険金支払限度額イメージ 「IoTube」を5台設置した施設の場合100万円
3.今後の展開
今後も両社の持つノウハウを掛け合わせることで、新たな商品・サービスの提供を通じて、就学前施設だけではなく、さまざまな社会・地域課題の解決を目指していきます。
以上